2015年7月21日火曜日

741


UR12が24ビットだとしても、本家ASIOだとしても、1万円は1万円の音。きれいすぎる。普通すぎる。なので、適度にひずませるために、LEAKのVarislopeIIIをつなぎ、EL34アンプを使った。それなりに気に入った音になった。

 時代は進み、サミングアンプ シーメンスV275/0には741が使われている。その前にはディスクリートOPアンプが、その前は普通にディスクリートアンプ。
 入力はHAUFEのトランス、741の後ろにはLCフィルタ。SC5141Gの電流アンプ2個で出力トランスをドライブしている。

 位相補正コンデンサの入った741.これによってOPアンプが普及した。その前のuA709、LM301/201/101は位相補正のコンデンサを用途に合わせて設定しないといけない。その後オーディオ用として、そして今でも作られているNE553xは位相補正ありなしが利用/使用しないが型番で選べるようになっている。
 もともとトランジスタで回路を作っていた技術者が多いプロ機器では当然NE5534を使っている。

 位相補正は、つまり、フィードバック技術、時代は遡り、ベル研の製造部隊であるWE。海底ケーブルの増幅器を設計していたハロルドSブラック氏。負帰還技術が発明されてすでに100年がたっている。
 そのネガティブフィードバックを会社名につけたのがNF回路ブロック。


 セカンドソースは多い。オリジナルuA741はフェアチャイルドにいたワイドラー氏が設計した。カレントミラーの設計者として有名だが、この741にこの回路はたくさん入っているので、この時代、必然として編み出した回路なんだろう。
 増幅率の高いトランジスタが作れなかった。性能のよいPNPが作れなかった。コンプリメンタリになるトランジスタを作りこめなかった。とかとか。
 初段の負荷抵抗を上げるとゲインが取れる。抵抗では、電源電圧を上げないといけない。定電流回路なら、それらの欠点を克服できた。それをトランジスタ2個で実現したのがワイドラー氏。

 もどって、オペレーショナルアンプとは積分器が作れるアンプのこと。そこからアンプリファイアだけが残った。時代の流れだ。

 セカンドソースといえば、時代の要請。契約した会社もあるし、勝手に作った会社もある。新しい半導体が生まれても、製造をやめると、設計者は困ってしまう。逆に、1社が潰れて製造ができなくなっても、別の会社で入手できれば、設計者は安心して回路設計に使える。というのが、発端。

 NECの8080Aはオリジナルのインテルより命令が多い。
 メモリを作っていたインテルの隣はAMD。建屋の2階からインテルの敷地が一望できる位置。
 ビジコン社の依頼で4004を作ったインテル。4040/8008/8080/8080Aと製造してきたインテル社はセカンドソースをAMD頼んだ?
 今は、ライバルらしいが。時代は変わる。

 経営者は、製造ラインは金食い虫と映る。なので、AMDは分離した。TIの技術者だったMorris Chang氏、世界最大のファウンダリTSMCを作った。AMDの分離したファウンダリGLOBALFOUNDRIESは世界第2位。
 製造がいつも100%稼働ならいいが、現実はそうではない。経営者はそれが不満だ。
 今、インテルにセカンドソースはいない。世界の需要には波がある。手が空いた時期にFPGAの製造を受けていたらしい。それが、買収したアルテラだったようだ。

 FPGAなら短期間、在庫を持てる。
 今、リード付き部品はほとんど作られていない。トランジスタでいえば、製造しているのは3件いや サンケンだけ。らしい。東芝は、在庫販売。故に、日本の税制では、資産?になる。その評価は税務署にとってはかっこうの標的になる。

 在庫として持っている2SC1815で、東芝は税務署に言いがかりをつけられたわけ。悲しい現実。東芝って世界ランキングの10位に入っている半導体製造会社だ。日本のために政府は動いているのか? と思う。
 ニコンとキヤノンが世界のステッパの大半を作っていた時代、アメリカのたぶんコン猿が、それはまずい、というしアプライドマテリアルを国策会社として作った。
 ヨーロッパの半導体製造装置も壊滅状態だったが、税制の優遇されるオランダに、ASMLが作られた。現在、世界の50%を持つまで大きくなった。
 社長の気まぐれで、生産を縮小してしまったキヤノン。ニコンしか残っていない。14nmのステッパの開発はお金がかかるので、インテルも出資している。そういう会社なのだ。
 ロケットの打ち上げに失敗が続いているロシア。プーチン氏は半導体が作れる国になれと閣僚に指示したのは数か月前。中国を通じて技術が還流する。数年でARMプロセッサが作れるだろう。

 ルネサスはつぶしてはまずい、と日本の経済界は思っている。

 ルネサスに技術と人を出した後、富士通、三菱電機、東芝が窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)/GaN HEMTを作っている。

 OPアンプの現在のベースを作ったのが4558.レイセオンは軍事機器を作っている。ミサイルの世界一の製造会社。第2次世界大戦中はレーダーを作っていた。それから一般家庭に入ったのが電子レンジ。

 アクティブフェーズドアレイレーダーは画像処理が一番重要。画像処理で使われていたDSPを発明したのはNEC。現在FPGAで処理される、たぶん。
 FPGAに作りこむアルゴリズムの開発が一番重要。シュミレーションにはスパコンが必要。
 FPGA自体を日本で作っていない。一時期世界第3位の会社のをODMで作っていた会社もあったような。
 ザイリンクスやアルテラは、世界中複数のファウンドリで製造しているので、日本が買えないということはならないはず。

 衛星の画像処理、潜水艦のソナー解析はNEC、三菱電機。どのくらい政府は投資しているのだろうか。
 日本で徴兵制は復活しないという話がある。それは、地上を歩きまわる戦争は10年後にはない。だから、体力勝負の兵隊はいらないということ。
 東大とかつくば大学で優秀な学生を一本つりして、開発にあたらせるというスタイル。

 開発途中の情報を漏らせば、税務署に指示を出して、その開発費は見積もりになかったとか言って、防衛庁と開発1次受け会社のえらいさんは飛ばされる。実際に開発を受けていたn次下請けの担当者は、まずい、と思い、口をつぐむので、日本で何が開発されているかは誰も知らない状態が起こっている。 という小説をだれか書いてくれないかな。

 RSコンポーネンツでラズパイを買おうとしたら、これは軍事に転用できるので、英国から輸出するには、契約に同意していただく、というメッセージが出ている。
 300万台出荷時の用途には、軍事関係はなかった。いやー、使ってほしくないね。本当に。

 このまえ、イギリスの駆逐艦デアリングがやってきた。SAMPSONというGaAs半導体を使ったアクティブ・フェーズド・アレイをつんでいる。どこの半導体なんだろうか

で、本題。
 741のDC特性は、それまでのアンプから見ても、今のOPアンプからも、優れた性能ではない。アンプは位相補正がきかせられて、はじめてちゃんとした特性のアンプになる。負帰還とのかねあい。それらのオールオーバーの特性が設計できてプロ!
 741が出てからはアマチュアでも動く回路が作れるようになった。
 動くんだけど。
 周波数特性も普通なんだけど。
でも、プロが設計してるんだね。これが。
 とくに、モノリシックOPアンプは出力電流が取れないので、600オームのトランスを単独では駆動できない。
 いや、そういう問題ではなく。
 負帰還が発明されて100年。OPアンプのひずみ率は、測定できないくらい下がってしまった。
 LEAKのPointOneというアンプは、ひずみ率が0.1%を切ったというのが名称になったくらい、真空管時代は、大変だった。なのに、この時代のアンプのほうが、いい感じで聞こえる。
 困ったことだ。

 デバイスは、デバイスだ。使って仕様を満たせればいいんだ。出てきた音がよければいいんだ!



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