2014年8月2日土曜日

オペアンプ

 この前、PMIはカタカナで表記するとどういう呼び方をすればいいか?という話題があがった。なぜ、PMI? 高性能オペアンプOP07。
 じつは、私はこの後しか知らない。1990年にアナデバに買収されてしまった。
 オペアンプは、アナログコンピュータの演算素子だ。
 LM709やLM301は位相補正の端子が出ていたので、LM714がでてきて多くの人が使うようになった。
 PNPトランジスタの性能がダメダメだったので、涙ぐましい回路構成になっている。レイセオンのRC4558が回路構成的には、現代の普及型オペアンプの基礎を作ったといえる。と、思う。聞いた話だけど。
 高性能オペアンプも、今では、数個購入するのであれば、普通に買える価格になったしまっている。

 話は戻って、ミキサ卓の機器は真空管の時代(たとえばV72)からトランジスタ回路(たとえばV372)に変化した時期、まず、2段3段の増幅回路にエミッタフォロワだった。すぐに入力が差動になって、安定度が増した。初段はPNP。なぜかというと、増幅度をとりたい次段にNPNが使いたかったというのが理由なの?
 終段もコンプリのトランジスタが用意されると、コンプリメンタリエミッタフォロワであるSEPPが一般的になった。
 つまり、頭としっぽがほぼ確定した時点で、作業性をあげるために、小さな箱に入れたオペアンプモジュールが作られた。ノイマンのOA10,OA20、NTPのN100C。
 放送機器は入出力にトランスが入る。ほとんどが600Ω。トランスの性能が一番良いインピーダンス。
 小信号用トランジスタの組み合わせの終段ではこのトランスを駆動できない。ほんとう?600Ωならできそうな気がするけど。
 コンプリメンタリエミッタフォロワはTO3とかの少し大きめを用意して、その前の段までをチップ部品でモジュールにした製品も多い。
 音楽用にNE5534、5533、5532が出たら、一斉に切り替わった。ほとんどが位相補正の必要なNE5534が使われ始めた。プロのお仕事だから。しかし、トランスが駆動できないので、コンプリメンタリエミッタフォロワの電流バッファだけを外付けにした。

 これで、ある程度回路構成などが確定した。V72に比べ、たぶんひずみは2桁下がった。
 NFをかけているので、ひずみ、周波数特性は必要な帯域をカバーしている。規格上15kHzのフィルタが入っている場合が多い。

 高性能オペアンプは、内部の素子は相当多い。多用される定電流回路もいっぱい。
 S氏に最低限の回路は、という話を相談していてできた回路がある。回路図を集めていたら、5石、6石のディスクリートオペアンプが実際の回路に使われていた時期もあるのがわかった。

 ということで本題。

 素子数の少ないディスクリートオペアンプを自分なりに作っていきたい。
 汎用型を作ることはない。
 真空管のドライブ段であれば、それに合う回路を作ってしまえばいいのだと思う。特に高圧とか中規模の電流を流す回路が必要。


 まず、一気に作ったが動かない。
 しょうがないので、差動と電流伝達部分だけを作って、測定してみた。波形がひずまない点って、ピンポイントしかない。それでも、入力からのサインはとはずれている。
 バイアスのトランジスタをつけると、波形がよくなる。
 最終のコンプリをつけると、なぜかきれいな波形になった。


 設計は5V電源。終段を中電力にかえてあるので、バイアスはしぼりきっておいて、電源電圧をあげていった。とりあえず12Vまでは問題ない。バイアスを6mAぐらいにしておく。この辺りは正常な電圧制御ができている。
 スピーカをつなぐと、音は出る。




 

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