2016年3月6日日曜日

OPA1622を使ったヘッドホンアンプ

 ICたった1個でヘッドホンアンプが作れたら、いいよね。でも、なかなかハイエンド用がない。
 TIのOPA1622は高速OPアンプと電流アンプをモノリシックICにしたもので、従来の2個入りOPアンプとは異なるピン配置になっている。
 その配置は、入り口と出口を合理的に配線できる。でも、従来の2個入りと同じピン配置のほうが使いやすい。というので、OP1622DIP化ボードが秋月から出ている。3月3日発売。http://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-10255/

 DIPにするためには、はんだ付けが必要。使ってみると、出力抵抗を下げていってもひずみは増えない。位相のまわり方もそれほど不自然でない。

 ヘッドホン向けに開発されたOPアンプ OPA1622を試用

 とはいえ、それなりに発熱がある。データシートにもあるが、GND端子があって、プリント基板上ではVEEにつなげ、放熱効果を上げるようになっている。



回路
 OPアンプなので、DCから増幅できるけど、コンデンサの色づけを試したかったので、CCCP(エスエスエスアール)製0.22uFを使った。たぶんオイルコン。
 非反転回路で増幅率は2倍とした。抵抗値をどうするかが問題。1k以上でもよいような気がするけど、もっと抵抗値を下げれば、少しノイズは下がる。でも、このボルトレベルではノイズを気にする必要はないので、470オームにした。
 1+470/470=2倍


  • SW電源;コーセル LCA10S-5
  • 電源フィルタ;TDKラムダ RSEL-2003W
  • フィルムコンデンサ;Cornell Dubilier Electronics (CDE)
  • オイルコンデンサ;ソ連製
  • OPA1622DIP化基板;秋月電子通商
  • ICの電源近くのコンデンサ;680pFセラミック、0.01uFフィルム、1nFメタライズトフィルム
  • 入力の100pF;セラミック


測定
負荷抵抗は27Ωです。
入力ボリュームが9割の場所の時です。入力正弦波は0.5Vp-pです。

入力ボリュームが6割の場所の時です。ハイレゾ対応のヘッドホンになっています。



外観
 全体像です。

 OPアンプ部分です。


ノイズの抑制 その1
オシロスコープのプローブをショートさせた時です。升目は1divではありません。

 ショートさせたのを金属部分に接触させます。金属部分は仮想グラウンドです。見えているのは、コモンモードノイズです。


 電源を入れていないときのSW電源の出力です。

 電源を入れました。

 フィルタをつなぎ、その時の出力です。


 大容量フィルムコンデンサをつないだ出力です。


ノイズの抑制 その2
 測定していることが正しいかどうかわかりかねています。間違っていたらすみません。正しい方法がわかったら差し替えます。
 電源のAC100V側を測ります。黄色が電圧で、緑が電流プローブの波形です。使っているSW電源は10WですからPFCは入っていませんが、これほどひどいとは。電流の幅はもう少し開いていると思ったのですが。


 電圧にFFTをかけます。少し盛り上がりがありますが、それ以上の周波数に対してはノイズが見られません。


 電流にFFTをかけます。100kHzの帯域です。いくつか目立った周波数成分があります。


 10MHz帯域です。ずいぶん高いところまでノイズ成分があります。規定されているのは100MHzのオシロで、10MΩのインピーダンスのプローブで10MHzまでを見ることですので、これ以上の周波数は無視します。
 とはいえ、電流プローブが高価で買えないので、なんちゃってプローブを使っています。実測では2MHzぐらいまでは信用できるかもしれないレベルのプローブです。




 ショートしたプローブを金属部分にふれます。コモンモードノイズが観測されています。


つづく


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